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ACKU第113回例会山行

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乗鞍岳スキー登山記録(速報版)
  


                                        報告者;横山千秋、小谷辰雄

写真編集者;田中信行
日 程   2008年4月26日(土)〜28日(月)【二泊三日】


コース: 鈴蘭小屋―三本滝駐車場―ツアーコース経由肩の小屋―(頂上往復)―登路下山
メンバー:古橋、田中(信)、壺阪、小谷、原田、高田(和)、本沢、坂本、横山、 橋本(HNP会員)、以上10名


(乗鞍高原から乗鞍岳を望む。2008.4.27 坂本亨氏撮影)

春の乗鞍岳は、山岳スキーとしての広大なフィールドを提供してくれる。位ヶ原での滑降は、北に槍・穂高を望み、正面には八ヶ岳から南・中央アルプスなど、名峰の眺めをほしいままにしたゲレンデだ。そしてここは、我々の例会山行としては2001年にも行っているので、今回は7年ぶりのチャレンジということになる。心配だったのは限られた日程での天候だった。春のスキー山行とはいえ、3,000メートルである。私個人としても数十年間通った乗鞍ではあるが、冬から春にかけては、その一回毎が天候を心配し、天候との戦いであったような気がする。

今回の結果としては、その天候にもめぐまれ、2名ではあるが登頂もできた。麓の温泉では木造りの湯ぶねにつかり、信州の酒「大雪渓」も味わった。体調のかんばしくない人もいたが、それぞれに満足のいく山行が出来たのではないかと思う。

以下の記録では、好天のせいもあって各自?各ペースでの登行となったので、私の行動の時間が主となっていると思っていただきたい。



旅館主の福島実氏と横山先生、美味しい地酒一升をプレゼントして頂く)



(鈴蘭小屋の全景、山小屋でなく立派な旅館でした)

4月26日(土)雨


 午後「鈴蘭小屋」集合で、4時過ぎには全員がそろった。夕食時には旅館主(福島実氏)からの「大雪渓」の差し入れもあって、お互いの情報交換、登山の前祝い等々、大いにもりあがる。しかし外は小雨ながら降り続いており、明日の天候を心配しながらの就寝となった。


(坂本さんも投薬中ながら長野から駆けつけてくれました)
(鈴蘭小屋レストランで記念撮影、前列左から古橋氏、坂本氏、小谷氏、横山先生、後列左から高田和氏、壺阪氏、原田氏、本沢氏、橋本氏、田中信、以上10名)

4月27日(日)晴れ 


 朝起きると山はガス、しかし青空がある。位ヶ原山荘を目指すことも頭をよぎったが、天候は良くなる方向だ。とにかく三本滝駐車場まで行こう、登頂が前提だ。

7時頃 駐車場。連休が始まったせいか、既にたくさんの車がきていた。ここで各自登山の準備。



(鈴蘭小屋玄関で出発前の記念撮影

7時45分 駐車場出発。先ずはリフトの横の登りである。いきなりの急登なので息がきれる。

(三本滝駐車場にて、坂本氏もここまで付き合ってくれた)

ゲレンデを登りきったところで、既に、先発隊と後発組とにわかれるはめになってしまった。
更に緩急のツアーコース。ここは約20mほどの幅に樹が切り払われている。下ってくる連中もいる。聞いてみると位ヶ原から上はガスで、ホワイトアウトの状態だったとのこと。しかし今は次第にガスも途切れがちとなり、時々ではあるが、乗鞍岳主峰が青空にくっきりと浮かび上がる。前方には雪原に続いて大雪渓が広がる。全くの白の世界だ。そして予想どうりの青空となった。しかし目指す肩の小屋は、はるかむこうだ。先発隊もはるかむこうを歩いている。追いつこうとのツアーコース最後の急登もナダレの危険もなく、10時35分 位ヶ原に飛び出した。快晴の雪歩きを楽しむ。残念なのは穂高周辺がガスだ。期待した壮大な山並みを見せてくれない。何組かのスキーヤーは、すでに青空の本峰をバックに おもいおもいのシュプールをえがいている。我々にもあの快走が待っている!早く行こう、と気もあせるのだが???。


(リフトの横の急な登りをスキーを担いで登る。2008.4.27 坂本亨氏撮影)



(いきなりの急登なので息がきれる。2008.4.27 坂本亨氏撮影)

大雪渓を登りつめると肩の小屋が、こんどは目の前にあらわれた。あとひとふんばり!しかしこの?ひとふんばり”のつらいこと。足がなかなか動かない。やっとの思いで12時10分、肩の小屋に着いた。
小屋の横で風を避け、「ハンバーグ付きのにぎりめし弁当」にかぶりつく。
小谷、高田の両氏は早速頂上にむけて出発。とくに小谷さんは、7年前に果たせなかった頂上へのリベンジだ。時々ガスがかかるが、快適の登頂日和。アイゼンのききもよさそうだ。私は観測所の状態を見て回ることにした。今年は積雪量が多いのか、観測所も肩の小屋の西半分も雪で埋まっている。残留組も、私に付き合って下さったり周りを歩いたりで、各自で雪の感触を楽しむが、西側がガスで、白山を望むことは出来なかった。
肩の小屋のこの辺りは風も強い。温度も下がってきたので、先発組は先に下山することにする。3時も過ぎ、ガスもかかり始めた頃、登頂組が下山してきた。小谷さんはかなり疲れた様子。しかしあまりゆっくりも出来ないので、すぐ下山することに。
 3時30分過ぎ となった。さていよいよ待望の大滑降。肩の近く風の強いところは、浅くはあるがシュカブラが残っている。所々凍っている所もあり、滑りにくい。しかし大雪渓は予想どうりの快適滑降だ。みんな一気に位ヶ原まで。ここではそれぞれが、それぞれの技術を発揮した楽しみができる。大きくまわろうが、こまかなテクニックを試そうが、状態も悪くはないのでしたい放題だ。しかしみなさんは、周りの雄大な風景を見る余裕があったかどうか?
だが、次のツアーコースにはいるとそう簡単にはいかなかった。大勢の人のシュプールがそろそろ凍ってきている。スキーのコントロールができない。私は最後を滑ることにしていたが、小谷さんも苦戦している。
スキーは脱ごう、歩き の方がらくだ!
スキーをはずしてホッとする。周りを見る余裕もでてきた。白樺と遠くの山々を眺めながらの下山。
疲れた身体ではあるが、今度は爽快さがよみがえってきた。しかし、夕方も6時頃 駐車場に帰り着く 破目になってしまった。みなさんはかなり早く着いていたらしいが待っていてくれる。(先発組の壺阪、原田、田中信は3時過ぎには帰着しました)少し遅い鈴蘭小屋帰着となったが、食事の時間を少し遅らせてもらって先ずは温泉へ。そして無事山行が出来たことへの乾杯。そのあとはみなさん思い思いのアルコールペースで、いつまでも話は尽きないかと思われた。

4月28日(月) 晴れ


 昨日と同じような天候だが、今朝は晴れ晴れとした気分だ。朝食の後、田中さんから留守本部?河本氏への報告もおわり、お世話になった「鈴蘭小屋」前での無事解散となった。今回の山を振り返ると、天候にめぐまれたこともあり、みなさん存分に自分の山を楽しんでおられたようだ。しかしこの楽しい山行が出来たのは、ひとへにみなさんが、それぞれわきまえた行動をされた結果だと思う。
 皆さんご苦労様でした。この後もトレーニングを欠かさないように。そして疲れも残さないように。(横 山 記)
 

【 肩の小屋〜剣が峰往復の記録 】
 肩の小屋南側で昼食のおにぎりとハンバーグを食べ高田さんと頂上へ向かう(12:40)
尾根の上は風が冷たく防寒着をすぐに着る。このころよりガスが出てあまり先が見えない。
登りがきつく息が切れる。ワゾウさんは元気だ。ついていくのがやっとの私は頂上までどれくらいか、見えたらなあと思いつつ頑張る。2時には引き返そうとワゾウさんと話していたが、朝日岳をまいて少し登ると蚕玉岳の頂上に着いた。2時前であるが剣が峰頂上の鳥居と小屋がすぐそこに見えるではないか。2時を過ぎるが登ることにする。頂上直下はアイゼンがよくきいた。記念写真をとってもらいすぐに下りはじめる(2:20)ガスで下りのルートが分かりにくいがアイゼンの踏み跡を見つけ見つけ下る。肩の小屋で横山先生たちに迎えていただき、ほっとする(3:25)



  (剣が峰頂上の小谷氏、2008.4.27 高田和三氏が撮影)

今例会は50年間、乗鞍宇宙線観測所に通われた横山先生から、いろいろとお話を伺えたことがとてもよかった。また下山時、かなりバテバテだった私のめんどうを最後までみていただき、深く感謝しております。術後の元気な坂本兄に会えたこと、7年前のリベンジが出来たこともあわせて今例会はいい山行でした。   (小 谷 記)

以上