2007年度総会での井上会長の挨拶

 昨年、2006年5月13日の総会において会長を拝命いたしましたが、1年間、皆様に満足いただける結果を出せたかどうか疑問に思いますが、何とか今日を迎えることが出来ましたこと、会員の皆様、理事の皆様にお礼申し上げます。新時代へ向かってアクセルを踏むべく、昨年11月18日には「神戸大学ヒマラヤへの挑戦、~Sherpi Kangri 30周年、Kula Kangri 20周年 記念パーティ〜」を実施いたしました。このリユニオン・パ−ティから新しいム−ブメントが起きて来ることに期待しております。2006年度の活動のハイライトはこのPartyに集約されます。

会長就任にあたり、会の運営の基本方針として次の二つを掲げました。

1.  パイオニア精神の継承

*     台湾、パタゴニアに始まる南米遠征、そしてアラスカからヒマラヤへと発展していった遠征に見られる未知の探求と困難への挑戦

*     そして遠征を通じて若い世代を育成

2.  新時代の登山のありかたの模索

*     処女峰が登りつくされつつある今日における会としての新たなVision

*     若い世代の積極的な参画による新しい活動styleの揺籃 

 「パイオニア精神の継承」については「Ruoni峰を含むAta氷河の最高峰への再挑戦」を目標に、現在2007年の偵察をCMAに申請中であります。時は遠征委員会を発足させ、2008年本隊へ向けて正式な準備スタ−トのタイミングとなりました。今日皆様のご討議とご承認を得たく思います。

「新時代の登山のありかたの模索」はいわば新しい時代の登山精神の開発でもあり、長期的に取り組んでいくべきものであります。新旧会員の交流を活発にし、討議や登山の実践を通じて構築していきたいと思っております。遠征を実現することはその一つの答えを出すことでもあります。今計画しているKangri Garpo East山群は未知の地域であり、6000m峰が30座以上存在し、しかもまだ一つのピ−クも登頂されておりません。新時代に相応しいコンセプトを意識して組織化してゆきたいと思います。まだまだ準備活動の火は火種程度です。皆様の参画とご支援をよろしくお願いいたします。

 「山と人」が永らく発行されておりません。河本理事にお願いして「山と人17号」を発行すべく企画していただいております。「山と人」の最近の出版状況を省みると、遠征登山の報告や遭難という悲しい出来事など話題性を重視した内容を発行の動機としているように思われます。たとえば「80年史」は大きな出来事を中心に編集されているにもかかわらず、冒頭に”これをもって「山と人16号」に換える”と記述されています。その結果多くの会員や部員の活動が記録として残されない結果となっています。また、「ACKU News」が毎年発行されるようになり、それが年々厚みを増した結果、これがあたかも会の公式の出版物であるがことくに思われている節もあります。そもそも「ACKU News」は会員を対象とした内部の気楽な連絡と情報交換の場として出発したものです。「山と人」は広く会の活動を世に問うものであり、「ACKU News」とは明確に性格を異にするべきものとして二つが存在していると考えなければなりません。また、会報「山と人」は山岳部の活動を継続して記録に残すとともに登山思想や代々の山岳部が取り組んだ課題などを明らかにし、わが神戸大学山岳部・山岳会の存在意義を世に問う公式の場であるべきと考えます。

 このような背景から、過去の12年間の山岳部・山岳会の活動報告、今後の山岳部・山岳会のあり方、遠征に関する歴史的変遷と今後の遠征論、会員の山に対する取り組み姿勢や思い、「千本杉ヒュッテ」の歴史と今後の保全、そして活躍された人々の存在など誌上に示すことはが多くあります。本件もご審議いただきご承認願いたいと存じます。

 そのほか、例会山行、氷ノ山ヒユッテ、Web site、記録など、理事の方々から報告と2007年度の計画を発表いただきます。会員の皆様のご意見をできるだけ取り入れてより充実した山岳会のこれからの一年の活動とできるように願っております。引き続きご支援とご協力をお願いいたします。

2007年4月21日 神戸大学山岳会 会長 井上 達男

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山岳会会長挨拶 井上 達男   2007/4/19 山岳会総会にて

 新体制となって2度目の山岳会総会が大阪KUCにて開催された。総勢##の出席と委任状を合わせて総会が成立しました。2006年度の活動報告及び2007年度計画が承認されました。詳しくはForumの総会関連記事を参照願います。山岳部長の乙藤洋一郎教授及び現役部員の参加もあり、衰退の色濃い大学山岳部にあって我が神戸大学はまだまだ活発であることを再認識した次第であります。

 トピックとして、2008年の崗日嗄布山群への中国地質大学(武漢) との合同登山計画が承認され、遠征委員会(委員長 山形裕志 神戸大学教授(山岳会員))が発足し準備活動が開始されました。(T.I)


山岳部の紹介をする新リ−ダ−の山川君
2007年6月1日現在、現役部員が9名在籍しているとのこと。大学山岳部衰退に歯止めの掛からぬ現在、これは貴重なことであります。良い登山を続けて良いクラブに育ってほしいものです。諸先輩方々のご支援よろしくお願いします。