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2008年8月 南アルプス・白峰三山縦走


                       平成20年9月2日
                                 報告者;田中信行

期 間 ;平成20年8月19日〜24日(4泊5日)

参加者 ;田中俊甫、壺阪祐三、井上薫L、本澤武次M、田中信行 (5名)

報告書のpdf‐versionはこちら



写真-1 西農鳥岳の手前ピークから雲海に浮かぶ富士山を望む
(2008.8.22,7:00頃 、300mm望遠レンズで撮影)




写真-2 西農鳥岳の手前ピークから雲海に浮かぶ富士山を望む

(2008.8.22,7:00頃、 28mm広角レンズで同上の富士山を撮影)



今回の白峰三山縦走記録を日記風に報告します。

8月19日(火)晴れのち夕立ち

名古屋発しなの7号(10:00)、塩尻乗り換えあずさ16号(12:07)、
甲府着(13:11)、山梨交通バス(14:00)で広河原着(16:00)。
バスを降りると雨、吊り橋を渡って広河原山荘に到着。夕食後に雨が上がる。

8月20日(水)晴れのち濃霧

広河原山荘1,520m出発(6:00)、大樺沢二股(9:00)、

白根尾池コース合流(12:10)、 北岳肩の小屋3,000m着(13:00)



写真-3 (広河原山荘前で記念撮影、右から壺阪、本澤、井上薫、田中俊、田中信)
樹林帯を抜けて大樺沢に出る。バルトロ氷河以来、久しぶりに柳蘭に出会う。予定通り3時間で雪渓が残る二股に到着、鳳凰三山や北岳バットレスの雄姿を眺めて暫し休息する。右股コースを登り、カンバ帯を抜けた草原で昼食。
正午には稜線に上がり、肩の小屋に予定通り7時間で到着、早速ビールで乾杯する。



写真-4 (雪渓が残る二股で休憩中の俊さん、井上薫兄)

8月21日(木)濃霧のち晴れ

肩の小屋出発(5:50)、北岳頂上(6:40)、北岳山荘(8:40)
 中白峰(9:20)、間の岳(11:20)、農鳥小屋着(13:20)
 濃霧の朝、雨合羽で出発する。岩稜をよじ登ること50分で北岳頂上に立つ。
急斜面を慎重に下り、北岳山荘に着く頃には天候も回復する。中白峰のピークを通過して、更に岩稜帯を登り切きると間の岳の広い頂上に出た。ガレ場の急斜面を下ると赤い屋根の小屋が眼下に見えた。温度も上がり雨合羽を脱ぐ。爽快な縦走となる。
小屋の主人は変人、まずい飯と臭い飲み水を我慢して飲食する。夜トイレで外に出る。
月明かりが眩しい。眼下に夜景(甲府市街)が見える。花火が上がる。雷光も閃く



写真-5 (北岳山頂はガスに包まれていた。全員寒さに震え、雨合羽姿だ。)


8月22日(金)濃霧のち快晴

農鳥小屋出発(6:00)、西農鳥岳(7:30)、農鳥岳(8:30)、
 三角塔鐘の下降点(9:30)、蛇行ガレ場終点(11:00)
大門沢河原(12:20)、大門沢小屋着(13:20)

 今朝も濃霧の中を出発、いきなり岩稜を急登する。やがて眼下に雲海が広がる。遠くにシルエットの富士山が浮かぶ。素晴らしい景観に息を呑む。西農鳥岳の一つ手前のピークに陣取り、雲海に浮かぶ富士山をタムロン望遠レンズに交換して撮影する。意図するワン・ショット(冒頭の写真)を物に出来たと思う。農鳥岳の登りは厳しい岩稜、平坦な山頂からの下りは起伏のある岩稜、やがてお花畑のある二重稜線にでる。鐘が下がっている黄色い三角塔に着く。好天に恵まれて白峰三山の稜線を無事踏破出来たことを感謝する。大休憩後、ガレ場を蛇行し、樹林帯を下って、大門沢小屋に着く。1,000mの高度差を4時間弱で下り切った。通常行程は更に1,000m降りて奈良田温泉泊まりだが。井上薫名幹事の采配でロートル組優先の大門沢小屋泊まりとなった。



写真-6 (快晴の農鳥岳頂上、踏破した間の岳や北岳が後方に聳えている。)


8月23日(土)雨のち曇り

大門沢小屋出発(5:30)、八丁坂終点(8:00)、第1吊り橋(9:20)
 登山口ゲート(10:00)、奈良田温泉白峰館着(11:00)、
 夜中から雨、雨合羽の完全武装で下山、出発前のドリップコーヒー(500円)が実に美味だった。小さなつり橋を3回渡って、小屋根伝いの八丁坂(急坂)を下る。更に大きな吊り橋を3回渡って巨大堰堤(三段に工事中)に着く。ゲートを過ぎると舗装道、早川橋を渡ったところが秘湯・奈良田温泉(奈良時代の女帝の湯で有名)だった。


8月24日(日)晴れ

奈良田温泉からバスでJR身延駅へ。身延線の特急で静岡駅、新幹線に乗り換えで新大阪駅、夕刻までに全員無事帰宅する。田中信のみ所用で23日夜に帰宅す。

*今回の縦走で観賞出来た高山植物の名前(壺阪裕三兄のアドバイス)
白色の花;ゴゼンタチバナ、釣鐘ニンジン、薄雪草(ヤマハハコ)、白山イチゲ、トウヤクリンドウ、シシウド(セリ)、梅鉢草、ツメクサ、黄色い花;ホトトギス草(写真-7の花)、麒麟草、ウサギ菊、深山大根草、ミヤマタデ 

紫色の花;柳蘭(写真-8の花)、トリカブト(ブシ)、岩ギキョウ、千島ギキョウ、ピンク色;白山フウロ、シオガマ、チングルマの羽毛、ミヤマナデシコ、白山ビランジ、




写真-7、黄色い花;ホトトギス草




写真-8  紫色の花;柳蘭

最後に、今回の南アルプス・白峰三山縦走は天候にも恵まれ、山仲間に励まされて楽しくかつ無事に完走することができました。井上幹事、本澤幹事には一昨年の八ケ岳連峰の縦走に引き続き、今回も大変お世話になりました。あらためて御礼申し上げます。

 私個人としては47年ぶりの北岳頂上でした。1961年3月の春山合宿(大学2年生)で両股小屋から中白峰のコル経由で北岳を往復(17時間弱)したことを懐かしく思い出しました。「昔の山」「クラシカルな登山」の実践でした。メンバーはチャカさん(故人)、宇田L、小谷、小川、坂本、篠原(故人)、田中信の7人でした。 以上